昨年の秋くらいからRCGでも話題になっていたA123バッテリーですが、対応する充電器やバランサーなどもサードパーティーから発売になり、国内でもバッテリーそのものを販売するショップが出てきたので、このへんでしっかり知識を得ておこうと思います。
このバッテリーは、「A123 Systems」というMIT(マサチューセッツ工科大学)をスピンアウトした会社が新開発した、ナノスケール材料を使って誕生した新しいタイプのリチュームイオン・バッテリーなのだそうです。
一般的なリチュームイオン・バッテリーは5〜20ミクロンサイズの電解質粒子ですが、新しいバッテリーは100ナノメートルサイズの粒子だそうです。1ミクロン(マイクロメートル)は10の6乗メートルに等しく、0.001ミリメートル、1000ナノメートルとなります。
このナノスケール材料によりバッテリー内部の抵抗が低く、広い温度格差にも強い、発火などの危険性がないバッテリーが完成できたのだそうです。
電解質にゲル状のポリマーを用いているこれまでのリチウムイオンポリマー・バッテリーでは、アルミラミネートフィルムを使ったパッケージでしたが、このバッテリーは違うようですね。
現在、A123 Systems社がデベロッパーキットとして発売しているhigt-power cell : ANR26650M1セルバッテリーがA123バッテリーと呼ばれているバッテリーのベースになっており、そのスペックは以下の通りです。
【ANR26650M1セルバッテリーのスペック】
セル電圧:3.3V
セル容量:2300mAh
セル内部抵抗:8mオーム
セルサイズ:26.15×65.50mm(円筒形)
標準充電電流:3A(45分充電)
急速充電電流:10A(15分充電)
連続放電電流:70A(30C相当)
最大放電電流:120A(50C相当)
使用可能温度:-30℃〜+60℃
セル重量:70g
10C放電における寿命:1000回以上
(リチウム系バッテリーの10倍以上)
連続放電が30Cで、寒い冬の季節でもバッテリーを保温する必要がなく、千回以上の充放電が可能です。
■Hypersonic Lithium Ion バッテリー
ANR26650M1セルバッテリーをベースにしてR/C用の製品を発売しているのがA123Racing社です。A123 Systems社とどのような関係にあるのかはわかりませんが、A123 Systems社のHPにリンクが設けられていることから、メインで開発に力を入れているGeneral Motors社のPI –HBV(プラグインハイブリッド車)向けリチウムイオン・バッテリーや、すでに成功を収めているDeWalt社の電動工具用バッテリーなどとは別に、今後、市場開拓していくつもりのジャンルとして考えていいようです。
A123Racing社の製品バリエーションをみると、まだ小型機などが使用するバッテリーではなく、2300 mAh以上を必要とするヘリやグライダーなどのアウトドア機、その他ラジコンカーやボートなどに向けたものであることがわかります。
■Hypersonicバッテリー
Hypersonic 2300 6.6V
2300 mAh, 6.6V, Lithium Ion, 2S1P
Hypersonic 2300 9.9V
2300 mAh, 9.9V, Lithium Ion, 3S1P
Hypersonic 4600 6.6V
4600 mAh, 6.6V, Lithium Ion, 2S2P
■ Hypersonic Turboバッテリー
Turboバッテリーが別にあるのかと思ったら、そうではないようで、HypersonicバッテリーにTurbo boost moduleというモジュールを接続して使用することで、電圧出力レベルを調整して使うのをTurboバッテリーと呼ぶようです。
このモジュールにはLED表示が付いた簡単な押しボタンがあり、8つのレベルで電圧出力を調節できます。使用範囲は200Wまで。
2S1Pの場合: 7.2V-10.8V
3S1Pの場合: 10.8V-14.4V
このようなモジュールがあれば、1セルが3.3Vというこれまでと違った電圧でも、2セル使用でたえず8Vの一定電圧を電源としてアンプに供給できると思うのですがどうでしょう。
専用の充電器「Sonic Charge system」はキット、単体でも購入できます。
ANR26650M1セルバッテリーを4本セットにしたHypersonic Four Cell Developer Kitなどもあり、2セル3セルの組合せを自作するためのバランシング・ケーブルも用意されています。
充電用の親バッテリーとしてもすでにサードパーティーがハウジングを発売しており、写真のように10本組んで36Vのバッテリーになります。これは別な意味で興味あります。
RCGなどでは、このバッテリーを導入できるサイズ・カテゴリーのみなさんがセルの組み方や充電方法などについて熱心にディスカッションされています。誰かが旗を振らないと小型機が使えるような小さなA123バッテリーセルは出てこないかもしれませんが、リンクしているRC UNIVERSEのフォーラムでも盛んにいろいろなテーマでトピックがアップされているので期待しましょう。
・RC Groups
THE A123 cell Thread, tell us how you're liking your pack













A123レーシングのターボブースターは 日本で販売されてるのでしょうか?
たいへん気になるのですが・・・
情報がありましたら教えていただけないでしょうか?
投稿: 質問者A | 2008/09/06 (12:27)
A123レーシング社は活動していないようです。
似たような製品をみつけたらまたエントリーしましょう。
投稿: 栗田 | 2008/09/06 (12:55)
そうなんですか?残念です(汗)
また情報がありましたら教えてください。
よろしくお願いします_(__)_
さっそくのお返事ありがとうございました!
投稿: 質問者A | 2008/09/06 (14:05)