飛行体を「自由に飛ばしたい」という自分の気持ちの中にある形は、猛禽類の鳥たちのように「羽ばたいて上昇し、サーマルにのって滑空する」という、普遍的な鳥の飛翔であるように感じています。
最近、飛ばし始めたAlulaは、鳥のようなスタイル。
そのデザインに魅せられてから、気持ちはさらにエスカレートしはじめ、「鳥のように羽ばたいて上昇し、滑空する羽ばたき機」を具体的にイメージするようになりました。
そこでみつけたのが、米国ワイオミング州で「Flapping Flight」を追求し続けているKinkade氏の羽ばたき機(RC)。このモデルは、まさしく羽ばたいて上昇し、高度を稼ぐと、そこから翼をロックして滑空する新しいシステムを具えています。でも厳密に見れば、羽ばたいてこそいますが、そのコントロールは「鳥のように飛ぶ」にはまだほど遠く、飛行機に使われてきた航空力学が使われているのです。
一方、まだ無線でコントロールすることができない時代から、人間は「鳥のように飛ぶ」飛行体の完成を同じように夢見てきました。それを叶えてきたのが凧、鳥型の凧です。鳥の形を模したデザインの凧は世界各地に存在し、進化してきました。我が国でも2000年以降、リアルな1/1スケールの鳥凧を成功させた方々が各地にいます。
鳥型の凧には立体凧と平面凧がありますが、注目すべきはその飛びの性能です。
鳥凧の多くは静止凧ですが、旋回や滑空を可能にした運動凧も増えてきました。
その中で、個人的に注目しているのが中国の「盤鷹(パンイン)」です。
西洋のスポーツカイトとは違った構造とコントロール方法で、2005年くらいから中国でも愛好家の数を増やし、我が国でも「日本盤鷹パンイン鳥凧愛好会」が発足。
2007年に中国で初めて出版された盤鷹の専門書「盤鷹風筝」の日本語訳を紹介するブログも現れました。
盤鷹とは旋回する凧の意味で、大きな専用の糸巻きを巧みに操作して一つの糸目ながら滑空、旋回を自由にこなす鷹の凧なのです。 材料は竹(孟宗竹)に不織布や皮紙を貼り、彩色してあります。
この骨組みを見て何か感じませんか。小翼(alula)のところから左右の翼がしなるように変化します。
凧は糸目の張りでバランスしているので、単独の飛行体とは異なりますが、凧でも「鳥のように飛ぶ」ことにこのような独自の方法で進化しているのを見ると嬉しくなります。
詳細にそのしくみを理解したい方は、盤鷹の専門書「盤鷹風筝」の翻訳サイトを読みましょう!!
・骨組みのムービー
・旋回しているムービー
洋の東西を問わず、ここまで実現できているのであれば、昔から考えてきた「朱鷺をデザインした羽ばたき機」の製作は実現可能なように思えてきました。
非常に興味深い凧ですね!
こんなRC機を作ってみたいものです。
糸を引っ張る強さによって右旋回左旋回が出来るのかな?
投稿情報: 実験工房Sekiai | 2009/09/18 08:04
日本人でも夢中になっている方が増えてきているようですね!!
糸のコントロールで左右どちらにでも旋回できるように製作された凧を双盤鷹といい、上昇するときに左右に蛇行する特徴があるそうです。その揺れ幅が最大になったとき、素早く糸を巻き、タイミングよく糸を放つと旋回できるそうです。
詳しい説明は、翻訳サイトの7回目に解説があります。
左右のどちらか一方だけに自然旋回する単盤鷹という凧もあるそうです。
国内でも中国雑貨などを扱っているサイトなどで、専用リール(糸巻)と一緒に盤鷹を販売しています。
http://cart02.lolipop.jp/LA10150583/?mode=CATE&c_id=CA00100036969
投稿情報: 栗田 | 2009/09/18 09:02