「買ってもOK、いじってもOK、でも使ったら違法!!」といいながら遊んでいたRoyal evoから4年。
2.4Ghz対応の新しいプロポやモジュールをこの間、いろいろ試してきた。でも、ガラパゴス化した国内メーカーの送信機ファームウェアに魅了される製品はなく、手に入れたばかりの国内対応版Cockpit SXの新しいファームウェアを覚えるなら、このタイミングでRoyal pro もやっつけてしまおうと、長い名前に変更されたMultiplex Royal pro 7 M-LINK(2.4G対応版)を英国から入手した。
ヨーロッパでは、来年始めに仕様が一新されたNewバージョンが発売されるのではと噂されているRoyal proだが、それを裏付けるように現行機種をプライスダウンしているネットショプが多かった。手に入れるのなら今がチャンスなのだ!!
届いたRoyal proの正式なパッケージ名はさらに長く「Royal pro 7 Vario-Set M-LINK 2.4 Ghz」という。
2.4Ghz対応というから短いアンテナが実装され、SWを入れればすぐにTxの設定を始めることができるかと期待したが、みごとに裏切られた。
部品で付属する2.4 Ghz基板のモジュールHFM4 M-LINKとアンテナをユーザーが自分で実装する。
どうしてこんな販売方法をとっているかというと、それにはこんな経緯がある。
・2002年 FM仕様 Royal evo 7, 9, 12発売(ヨーロッパ35,40MHz/アメリカ72MHz)
※7chと9,12chはファームウェアの仕様が異なる/ v1.02 → v1.40(2011年で終了)
・2008年 FM仕様 Royal pro 7, 9, 12発売(3機種ともファームウェア統一されバージョンアップ v2.X)
※Royal evoからproにバージョンアップするには、本体基板の入れ替えをメーカーで済まさなければならない(v2.52)
※ファームウェアのバージョンアップ用にPC用アプリROYALpro Data Manager V1.0.xx.をリリース
・2009年 2.4Ghz仕様 M-LINKサポート開始(ファームウェアv3.30にバージョンアップ)
※Royal proのユーザーはモジュールHFM4 M-LINKを購入して2.4Ghz仕様へ移行
・2012年 ファームウェアの最新バージョンをv3.46にバージョンアップ
既存ユーザーへの配慮か、メーカーの方針なのか詳細は不明だが、10年かけてハード/ソフト共にその仕様に磨きをかけてきた送信機は世界でも希有なのだ。昨年は上位機種 PROFI TX、入門機種SMART SXも登場し、Royal proが一番古参になってしまった。
先に手にしたCockpit SXと比べても、Royal proのホールド性は劣り、古いモデルであることがわかる。
PCのアプリData Managerとつながっていたシリアルケーブルは、USB変換シリアルケーブルに変わったが、Cockpit SXとRoyal pro側のコネクタは未だにDINコネクタを使っている。新しい機種はアンテナも内蔵され、MiniUSBコネクタ搭載、バッテリーもLiFeだ。
2009年にevoを触っていたときは、今のようにアウトドアでグライダーを本格的に楽しむようになるとは考えもしなかった。フルハウス6サーボグライダーの設定を経験して、マニュアルには解説のないギミックでトリッキーなJR PCM9XIIのファームウェア設定に飽きれた。論理的な設定のプロトコルが公開されていない送信機に、残り少ない時間を翻弄されたくない。それが本音だ!!
新しい事を覚えるスピードもずいぶん衰えてきたので、Cockpit SXやRoyal proに付属するフローチャートやダイアグラムがどれほどありがたいことか。
認知科学者であるD.A.ノーマンの書いた本 POET [ The Psychology of Everyday Things ]の言葉を思い出す。
毎日使う道具に繰り返し、いらいらさせられる日々。
操作される道具は「誰のためのデザイン?」でなければならなのか、時間をかけて検証され、考慮されたスペックが提供されなければならない。