時間の流れには逆らえないが、国内だけでなく海外でも、個人営業の模型店が店主の高齢化でクローズされていく。ネットショップへ移行した模型店でも、梱包や発送の仕事はけっこう肉体労働を強いられる。それでも好きだから家族でがんばり、特徴のあるジャンルを支えて一時代を築いてきた有名な模型店が閉店となると、やはりそれは寂しいものだ。
Peck-Polymers(ペックポリマー社)は、アメリカのカリフォルニア州サンティでBob Peckさんと奥様のSandyさんが始めたピーナッツ・スケール機をメインに、フリーフライトの模型飛行機キットやプラン(図面)などを販売してきた。すでにBobさんは他界され、奥様のSandyさんが続けてこられたが、体調不良を理由にこの夏で引退することを決めたそうだ。
私もPeck-Polymersのピーナッツ・スケール機のキットは、何機か手に入れて今でも持っている。そのキットは直接、メールオーダーしたものではなく、庄内ピーナッツのメンバーでもあった植竹さんが経営されていたネットショップ「KOTOBUKI」から購入したものだった。そのKOTOBUKIも昨年植竹さんが他界され、残された奥様が在庫を引き継いでネットショップを続けている。
紙(和紙)と木(バルサ)、それに天然ゴム(FAI公認の模型飛行機用ゴム)でできたキットはこれから先、誰に引き継がれていくのだろう。買収されることがあっても、Peck-Polymersの名前は絶えてしまうのかもしれない。
素朴な材料で手作りされてきた模型飛行機。
店主の人柄と経験、ユニークな品揃えの名物ショップ。
この6月中旬、日本でも秋葉原に店を構えてきた「空飛ぶ模型の専門店 アサミ」が閉店した。
2月にはRCフライトシミュレータの本で取材させていただいたばかりだったのに残念である。
私が模型飛行機を作るようになったこの6年間は、ショップからネットショップへの移行が盛んになった時期でもあった。しかし、あまり一般的ではないジャン
ルの模型飛行機のパーツを理解するのは、やはり現物を手にして、わからなかったら質問することができるショップで店主を相手に無駄話をする楽しさに勝る物
はない。そんなコミュニケーションができた時代が終わろうとしているのかもしれない。こんな経験を田舎ではなく東京の秋葉原でできたことがうれしかった。次の写真は2月の取材写真より
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