学校教育の中で減少傾向にある「図工の時間」を応援するフォーラム「がんばれ!図工の時間」が昨年の秋から活動している。
中心になっている実行委員はそのほとんどが教育者だが、その中にかつてMacやLogoを通じた知り合いである藤幡氏と上田氏の二人が入っている。
委員長:藤幡 正樹(東京藝術大学大学院教授)
委 員:佐藤 雅彦(東京藝術大学大学院教授)
委 員:上田 信行(同志社女子大学教授)
委 員:堤 康彦 (NPO芸術家と子どもたち代表)
この応援団の目的は大きく分けて2つあるとのこと。
1. 「図工の時間」が持っている可能性と必要性の大きさを多くの人たちにわかってもらい、図画工作科の授業時数を増加していくことを請願するための署名活動
2.現場の先生や美術教育の研究者と協同して、フォーラムを各地で開催し、「図工の時間」の魅力を一般の方に伝えていくための中間コーディネーターの役割
簡単に言えば、工作することの魅力とそこから生まれるトータルな想像する力の重要性をよく知っている教育者たちが、世の中の実利主義的な保護者たちに向けて声を上げ始めたことになる。
知識優先の基礎教育重視の弊害はいじめや受験戦争に結果として現れている。バランスさせる意味においても情操教育の見直しを訴えているのだ。
応援団のフェローも現在はそのほとんどが大学の教授や助教授ばかりなので、これからもっとリアリティーのあるメンバーが増えて欲しい。それに工作できる教師もだ。
フォーラムのロゴとキャラクターデザインは佐藤雅彦氏と中村至男氏の手によるものだそうだ。
個人的に自分が受けてきた学校教育を振り返ると、今よりははるかに信念のある教師が多く、道徳や哲学と基礎教育のバランスを理解していた。でも工作の時間だけを思い起こすと、外に向けた対面上の気遣いが多く、子どもたちへのフィードバックはあまりなかったように思う。私がつくったいくつかの作品は○○展参加作品入賞とかで、自分に戻してもらった記憶がなく、どのようによかったのか具体的な話を先生からしてもらった記憶がない。
工作の時間は十分にあったが、そこから他の教科への関連づけなどはまったくなかった。学校に図工の時間だけが戻っても、まだ十分ではない。もっと大人が真剣に遊ばないとその先をみつけることはできないだろう。
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