私が小学生のころ、通学路の途中に画家 川端龍子の別荘があったのを覚えている。
そこだけは、田舎の温泉街にある佇まいの家屋とは違った風情だった。東京からやってくる、このモダンな絵描きの散髪をしていたのが、私の母の父(私の祖父)であることを、中学生になってから聞かされた。
修善寺の温泉街には当時、2軒の理容店があったが、お寺の近くでメインの通りに面していた祖父の店を川端も含め多くの著名人が利用していたという。
川端龍子については、祖父が別荘まで道具を持って出張し、散髪していたそうだ。
当時の様子は、別荘ができる前に宿泊場所として利用し、別荘ができてからも食事の面倒をみていた新井旅館(右の写真)が運営するブログ「あらゐ日記」に、当時の貴重な写真や思い出のエントリーがUPされている。
今回、母の葬儀で立ち寄った祖父の家には、当時から使用されていたはさみや櫛などの理容道具が保管されていた。今ではメーカー任せのはさみやカミソリなども、当時のものは職人が自分で研いで使っていた。
自転車に乗る祖父の写真はめずらしいのだが、今回の訪問でみつけることができた。
タイミングよく大田区にある川端龍子記念館で45周年記念特別展が開かれている。
川端龍子と修善寺
〜伊豆市所蔵、近代日本画の巨匠の姿と共に〜
時 期 平成20年5月17日(土)〜6月15日(日)(月曜休館)
入館料 大人500円、小人250円
主 催 大田区、財団法人大田区文化振興協会
後 援 伊豆市、伊豆市教育委員会
会 場 大田区龍子記念館
〒143-0024 東京都大田区中央4-2-1 TEL・FAX(03)3772−0680
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