ラップトップ、またはノートブックコンピュータの在り方がまた変わろうとしている。
Appleが今回発表したMacBookシリーズの新しいコンピュータは、アルミをむくの削りだしで加工した筐体であることが注目されている。それが何をアフォードするのか。
こうした加工方法に変えることで、生産するメーカーと使うユーザにどんなメリットが生まれたのだろう。
メーカーにとって、加工工程の手順は短縮されたのだろうか。
これまで採用されることはなかった(できなかった)が、今回のモデルから保証範囲内でユーザがバッテリーはもちろん、ハードディスクを交換できるようになった。これはユーザにとって大きなアフォーダンスの変化である。しかし、もっと細部にわたり、使い勝手は向上しているように見える。
方法は異なるだろうが、他社でも「壊れにくいノートブックコンピュータ」を可能にするため、種々のテストやシミュレーションを行う。
・高加速寿命(HALT)/加圧/ヒンジ開閉/キーボード打鍵/静電気/振動/落下衝撃テスト
・応力/熱シミュレーション
個人的には、これまでのApple製品のデザインは「売るためのデザイン」に偏っていたように感じていた。だがやっと「使うためのデザイン」にシフトしはじめたのかもしれない。同じ方法で、iPhoneやiPodのバッテリーもユーザが自分で交換できるようにしてほしい。こんな基本的なことを犠牲にして、買い換え/使い捨てデザインを優先してきたAppleの姿勢が好きではなかった。
Steve Jobsは、これまでにLisa、Machintosh128、NeXTなど、すばらしいアフォーダンスのコンピュータを誕生させてきた。確かNeXTでも、筐体のCubeにマグネシューム合金を使っていた。それがアルミの削り出しであれ、どんな新素材であっても、素材や加工方法だけでいいコンピュータになることはない。長い間ユーザに愛され続けるノートブックコンピュータとはどんなものなのか、ハードとソフトの両方を手がける唯一のコンピュータメーカーとして、この新しいアーティファクトを成功させてほしいものだ。
追記:
WIRED VISIONで新型MacBook Pro(ユニボディー)の分解方法を公開しているサイトifixitの紹介と、その利点について掲載している。
旧型では、とてもユーザが手を出せなかったSuperdriveの交換も、けっこう簡単にできそうである。
新しいMacBookとMacBook Proの登場は、パーツ販売を手がけるショップにとってもこれまでとは違ったビジネスチャンスのようだ。
この分解手順は、今後役に立ちそう!!
高いパフォーマンスを搭載したMacBook Proと24-inch LED Cinema Displayの登場で、デスクトップの新しいMac使いも、新たなディメンションを迎えたように思う。私はぜひともこの新しいMacBookとCinema Displayを手に入れて、そこにいずれ発売になるというMac用地デジチューナーを取り付け、楽しみたいと計画している。
栗田さんのこの記事を読んで
部品点数を減らしてゆくということの大切さを教えられました。
今までのノートブックとは、やはり一線を画すのだと思いました。
追伸
注文してしまいました・・・
投稿情報: fuRu | 2008-10-23 19:16
fuRuさん、こんばんは。
宣言しましたね、うらやましい!!
もしかして、iPhoneも一緒かな。
私もいずれ今回のモデルに入れ替えるつもりです。
投稿情報: 栗田 | 2008-10-23 19:35
実は今回のMacBookをみていて
iPhoneもアルミ削り出しボディになるのではないかなと夢想しているのですが
どうでしょう??
投稿情報: fuRu | 2008-10-23 21:36
部品コストが173ドルくらいに見積もられているiPhoneですが、分解された姿を見る限り、ボディをアルミの削り出しなどにする余地はないようです。
http://bptv.nikkeibp.co.jp/article/080711/080711833.html
基板を2枚から1枚に減らし、部品点数も軽減されていますが、実装密度は高く、アルミの肉が残る部分はほとんどありません。
今後、さらに小さなモデルの噂もあり、iPhoneに関してはどのよう方法でユーザーのセルフエコ化を図るのか、想像がつきません。でも、楽しみですね!!
投稿情報: 栗田 | 2008-10-23 22:33
なるほど
実は左記のコメントを書き込んでから
そういえば電波の受信感度を上げるために樹脂ボディが採用されていたことを思い出したのでした。
でも、小型化の話とかやはり話題が尽きないアイテムですね。
投稿情報: fuRu | 2008-10-23 23:42