ノーベル賞でPhysics 2008(物理学賞)の受賞が決まった。
「ノーベル賞はCHRONOLOGICAL(年代順)に受賞の対象が決まる」
この言葉は、受賞者のお一人である京都産業大の益川敏英氏が記者のインタビューに答えたもの。
同時受賞である日本学術振興会理事の小林誠氏は、
「昔の仕事で賞をいただくのは多少奇妙な感じ」と応えていた。
なるほど、そういうことなのか。
お二人は京都大学で湯川博士の「孫弟子」として研究に従事していたが、今回の受賞はまさにそのころの研究内容「素粒子クオークは6種類存在する」という当時の理論予測が評価されたのだ。
素粒子理論の研究は日本のお家芸だそうで、過去の物理学賞受賞者は湯川秀樹氏に始まり、2002年の小柴昌俊氏まで、みなその関係の研究者だそうだ。
もう一人の同時受賞者であるシカゴ大学名誉教授の南部陽一郎氏も、宇宙を成り立たせる重要な物理現象を素粒子理論で説明された著名な研究者である。
たまたま、母がこの分野の研究者だったので、小柴氏が受賞された時に面白い話を聞きました。
ノーベル賞というのは、毎年、それぞれの分野の世界中の研究者(各分野1000人ほど)に手紙を出し、その分野で受賞に値すると思う研究者を一名、推薦してもらい、その結果に基づいてノーベル委員会がリサーチし、数年後の受賞者が決まるというような仕組みらしいのですが、小柴氏が受賞する数年前(6〜7年前と言っていたような気がします)に突然、ノーベル委員会から母にその手紙が来たそうです。
その時に母は当然、そんなものが自分に来るのは奇妙だし、誰かの悪戯か冗談だと思ったそうですが、念のためノーベル委員会に問い合わせたところ「本モノ」とのこと。で、その時に小柴氏を推薦したとのことでした。
それにしても南部博士は、もっとずっと早くにもらっているべき人だったようですね(上記のような仕組みからしても)。
投稿情報: 六尺 | 2008-10-08 14:02
お母様がその分野の研究者とは、おそれいりました!!
毎年、1,000人がいろいろ推薦しても、リアルタイムではなく、20年以上にわたり受賞対象者のリストが順番待ちをしている感じですね。
今回の益川氏はその感想をストレートに表していて好感がもてました。
投稿情報: 栗田 | 2008-10-08 14:24