Soft Energy Paths: Towards a Durable Peace
ソフト・エネルギー・パス 永続的平和への道
著者:Amory B. Lovins (エイモリー・ロビンズ)
出版社:時事通信社(1979年)
古い本を読み返す。
1960年代、日本人は将来を見越したエネルギー対策にハード・エネルギー・パスの1つとして原子力を選ぶ。その時から、戻ることができないY字路の一方を突き進んできた。その道には多くの問題(核拡散の危険、廃棄物処理)が潜んでいることを知りながら、約半世紀、その管理を集中管理的社会志向に委ねてしまう。
選ばなかったY字路の一方の道が、太陽熱や風力を使うソフト・エネルギー・パスだったとして、我々はそこまで戻ることはできるだろうか。もしかしたら、道のない藪の中をかき分けて、進まなければならない第3の道に踏み込んでしまう恐れもある。
この本に掲載されていた1つの詩を思い出した。
行かなかった道
二つの道が黄いろい森の中で岐かれていた。
残念ながら、わたしは一人の旅びと
両方の道を行くことができぬ、長いことたたずみ、
一つの道が下生えの藪に曲っていく方を
遠く眼のとどくかぎり見透かした。
それからもう一つの道へ進んだ、やはり美しく、
たぶん、そうなる魅力がもっとあったのだろう、
そこには草が多くて踏みならす必要があったから、
もっとも通る人に踏まれている点では
二つの道は全く同じ程度だったし、
またその朝は両方とも同じように
だれもまだ踏みつけてない落葉に埋れていた。
そう、わたしは一つのほうをまたの日に取っておいたのだ!
とはいえ、途はまた途へと通じることを知っているが、
自分は同じところへ再び戻ってくるかどうか。
いつかわたしはこのことを溜息まじりに話すだろう、
どこかで、長い長い年月を経たあとで。
わたしは人の通っていない道を選んだのだ、
それが大きな相違をもたらすことになった。
(デイキンソン、フロスト、サンドバーグ著 世界詩人全集12より引用)
ごぶさたしてます。
OMソーラーが出来たばかりの頃、1987年と思いますが、新宿の工学院大学で行われたエイモリー・ロビンズの講演会に出かけました。詳しい内容はすっかり忘れていますが、住宅の照明に関して白熱球から蛍光灯型電球への転換をうったえていたのをよく覚えています。
投稿情報: 秋山東一 | 2011-03-30 18:04
ごぶさたしております。
あの時代に感じていた近未来は、もっと賢く発展できるように楽観しておりました。そのムードを漂わせているタイトルが、まだ数冊、本棚を塞いでいます。
自分が生きるためのエネルギーを自身がどう扱うか、再度、強い意志決定を迫られています。器用仕事でも可能な、ラジカルテクノロジーを駆使して、この先の人生を楽しもうかな。
日本語で読むことができる彼の最新作は、2001年に出版された共著「自然資本の経済」だと思いますが、同時期に出版されたジェイコブズの著書「経済の本質ー自然から学ぶ」の方が支持する読者は多いようですね。
投稿情報: 栗田 | 2011-03-31 11:27