SouthernX-AMのキット版試作機を飛行会の会場で仕上げている堰合さん。
並木くんの新作機Atomic AMはオリジナルのすばらしいアイデアが盛りだくさん。
鳥羽さんの超小型スケールアクロバット機スホーイはベテランパイロットによる操縦で夢のようなアクロ飛行を成功させるなど、新しい発見の多い飛行会でした。
参加者:鈴木、大野、鳥羽、堰合、並木、古賀、栗田
■並木くんの新作機Atomic AM
自身のブログ「やりくりアクロフライヤー」で詳しく紹介されている新作機Atomic AMのフライトを初めて見せてもらいました。
驚いたのはそのフライトぶりだけでなく、彼が考案した機体各部のデザインでした。
このラダーに付けた下側のカウンターバランスなどは、海外も含め、取り入れている機体をこれまで見たことがありません(フライトのムービーは堰合さん撮影のムービーがアップされています)。
MANTAのように胴体中央部を肉抜きしている構造であることは、彼のブログの切り出された機体パーツをみてわかっていたのです。完成した機体は胴体の上部だけでなく下部にも斜めの補強が入っています。「中を覗いて!」と並木くんが言うので後部から覗くと、中は空洞です。
優秀なパイロットは、飛行機を開発する能力にも長けているのですね。
このAtomic AMはキット化が計画されているそうです。
最後に操縦させてもらいましたが、送信機側のスティックも繊細な操舵が可能なようにスプリングを弱めるなど工夫してありました。舵角設定が大きいので操縦は注意が必要ですが、たいへんに安定した繊細な印象の機体でした。
■SouthernX-AMキット版試作機
飛行会の机の上でキット版試作機を仕上げていた堰合さん、残り20分前にほぼ完成。上部左右の補強板を残したまま新人類的スピードのあるテスト飛行を済ませました。
この試作機に搭載したAXi2203/46モータはオーバースペックのようで、「/52で十分!」とのことでした。
スローアクロ機入門を考えてるパイロットにSouthernX-AMはすばらしい飛行機だと思います。clik!との違いはなによりも壊れにくい素材構造であること。同じ点は入門者に優しい飛びをしてくれることです。大きさが小さいことも扱いやすくていですね。予約が始まっていますが、順調にいくと7月中に発売開始が可能になるかもしれないとのことでした。
■鳥羽さんの超小型スケールアクロ機
新たに作り直してきたスホーイは、各舵のトリム調整ができてもな、かなか思うように旋回飛行を続けることができない状態でした。
そのフライトぶりに興味を持った堰合さんが操縦したのがこのムービーです。時間をおいて並木くんにも操縦してもらったのですが、その優れたフライトムービーも撮ってあります。
・Sukhoiフライトムービー 2(並木くん操縦)
・ Sukhoiメカ説明ムービー
飛行機にもまだ多少の問題点はあったものの、一番大きな問題だったのは操縦技術のようです。この大きさのスケール機で背面飛行やスピンをしながら、グリグリ飛ばしている様子を鈴木さんと見ながら「この飛びっぷりこそ、2年前にスケールレーサー機でやりたかったことだよね!」と目を見張りました。
やはり「機体を作るだけ」ではなく「飛ばす技術」がいかに重要であるか、あらためて再確認できた思いです。スローアクロ機を始めてよかった思いました。そして鳥羽さんも一言「練習機を1機考えようかな!」と。
■MINIUM
F西多摩体育館で初めて京商のMINIUMを飛ばしました。
自分たちでも17g前後のGee Beeを過去に飛ばしてきた体育館でMINIUMを試すと、その飛びがいかに優秀であるか、よくわかります。
鳥羽さんが気にしていた送信機と受信機のペアリングについて、京商に質問しました。自分が購入したセットの送信機と受信機以外に別売の受信機、または別なユーザーのMINIUMの機体をペアリング認識させて使用することができます。というかそこが利点なので、マニュアル通りに左スティックを押しながら電源を入れ、メロディーが鳴っている間に受信機の電源を入れることで認識完了となります。
まだ4ch仕様の製品は未定とのことでした。
■バーチャルとリアル
FMS用にclik!とMANTA、SouthernX-AMなどの機体データを堰合さんに製作していただいたおかげで、かなりリアルな操縦練習をF西多摩体育館や飯能市民体育館のシナリーを使ってできるようになりました。
そんなシミュレータで日々ローリングサークルの練習をしている鈴木さんですが、リアルな体育館ではなかなか成果が出せません。その原因は「勇気」と「剛性」がさらに必要なことです。シミュレータでは毎回、飛ばす飛行機は新品のままの剛性がある機体を使えます。クラッシュしてもリセットすればまた簡単に飛ばし直す気楽さがあります。ここがリアルな体育館とは違う点です。
どちらの世界でもリラックスして操縦することが必要ですが、リアルな世界ではパイロット自身が剛性を維持する管理をしなければなりません。
■アウトドアのベテラン古賀さんインドア初挑戦
古賀さんはYSFCのルールに従い、バルサ+フィルム貼りの小型機を3機持ってきました。かつては鳥羽さんも同じようなインドアデビューをしたことを思い出しました。しかし、古賀さんの機体はどれもラダーが固定です。
むー、狭いF西多摩体育館ではラダー固定機の飛行はかなり厳しいのです。
先日のTEAM
QUADRA飛行会で須田さんが製作したNEMESISも、同じようにラダーが固定でした。2倍の広さが’ある飯能市民体育館でも迫った壁を回避するには
ラダーが必要であることを痛感したくらいです。なんとか飛びはじめたのですが、ラダーの操舵は不可欠ですね。
■飛行会を終わって
YSFCとしてスローアクロをはじめ、1年が経ちました。
操縦練習をメインにした週一練習の成果もあり、エルロン機(4ch)をコントロールする技術はかなり付いてきました。とは言っても、1年では入門の時期を越えた程度ですが、操縦の楽しさと可能性の大きさを理解できるようになりました。
何よりも嬉しいのはベテランのアクロパイロットたちとの交流が増えたことです。
スローフライからスローアクロ機操縦へのチャレンジは「Away(アウェイ)」な感じでしたが、軽量化する製作技術は「Home (ホーム)」の経験が活かせています。
軽量でも剛性の高い機体の登場で、アクロ飛行が目的でなくとも、エルロン機の入門用にこれらの機体を使う入門者が増えることでしょう。
堰合さん、並木さん、素晴らしいフライトありがとうございました。
しかし私のmovieは載せなくても・・・
ラダーで曲がるとか、旋回時の高度の制御とかが出来ていないのがまるわかりですね。
もっとゆっくり飛ぶエルロン機とFMSで精進します。
投稿情報: とば | 2007/07/02 20:12
歴史が変わる瞬間を観ました。きっと来年には、ピーナッツスケールのスベトラナ・キャパニナのアクロやゴールデンエィジのパイロンレースが体育館で再現出来るでしょう。
しかし、私の新色機が冒頭に載っちゃうとは・・・・須田さんや栗田さんの写真では、実際より良い味出ていると思うんですけど・・やはり優れた芸術は世間に理解されないかw・・・・実際、並木くんの明るい未来ある青年と暗い煤けたオヤジを象徴している絵ですね。陰が薄いですけど、真ん中のはグリグリ系新作機でした。
投稿情報: おおの | 2007/07/02 20:49
一年数ヶ月前は私も鳥羽さんと同じ操縦レベルでした。たぶん小型のスローフライ機を飛ばしてきた方は似たようなレベルでしょう。
メカが進化して超小型のスケール機が作れるようになったのだから、やはり操縦技術も進化させないとバランスしないですよね。
あえてムービーを出して悪かったのですが、比較できるいい教材です。ベテランパイロットお二人の操縦がいかにすごいか、よくわかります。
ゆっくり飛ぶエルロン機、何を作るのか楽しみだな!
投稿情報: 栗田 | 2007/07/02 20:57
おおのさんの芸術性は理解していますよ!
でも我々も含め、まだバランスが悪いのです。
自分が作った素敵な飛行機をエレガントに飛ばしてあげる腕がないから、飛行機もかすんでしまうのです。
まー、くさらず行きましょう。
一年で結構楽しくなってきたではありませんか。
今度、自分のフリー演技に合う音楽を持ってきませんか。CDプレーヤー準備しますから。
投稿情報: 栗田 | 2007/07/02 21:11
皆さんこんばんわ。
今回もとーても有意義な一日を過ごす
ことができました。ありがとうございます(v_v。)人
>今度、自分のフリー演技に合う音楽を持ってきませんか。CDプレーヤー準備しますから。
うーんMy Little Lover の未来ボリビアとか、evergreentoka良いので持っていくかもしれません~笑
投稿情報: 並木 | 2007/07/02 21:29
小型スケールでなおかつグリグリしてますねー。 素晴らしい♪
この目で見たかった!
ところでこのスホーイの重さはどのくらいですか?よろしかったら教えてください。私はヘタッピでもまあまあコレが出来るようなモノを目指します。
投稿情報: としちゃん | 2007/07/03 12:56
スケールは1/20でスパン390mm、機体のみで確か15g、+メカ+バッテリー250mAhLipoで36.5gです。
機材はmotoさんのところで揃えたGP15 5W Wasp, MBC-4, MINOR FLAT, MCS3 x 2, MCS3-Aという構成です。
自分にはオーバーパワー気味なので、GP15 4W Bee, MBC-2, MCS2にもう少し容量の小さいバッテリーを使い機体をもっと軽く作れば30g程度になるかも知れません。
そうすればもっと違った次元のフライトが見えてくると思います。
投稿情報: とば | 2007/07/03 20:10
とばさんはじめまして以前公開されていたホームページでたっぷり勉強させてもらい今回も貴重な構成データを教えていただき、とても参考になりました。ありがとうございます。より軽くなったときに何が起きるか楽しみです。
投稿情報: としちゃん | 2007/07/03 21:40