飛行機好きのみなさんは、ジャンボやエアバスなどのジェット旅客機以外では、どんな飛行機に乗ったことがあるでしょうか。
私の場合をお話しすると、八尾飛行場でのった友人のセスナ練習機、本田航空のビーチボナンザVテール機、そして写真の複葉練習機ボーイングPT-17ステアマンの3機。
もう20年くらい前、このステアマンでループ、バレルロール、ストールターン、キューバン8などのアクロ飛行を経験しました。場所はアメリカの西海岸、北カリフォルニアのワイン生産地で有名なソノマ郡へむかう121号線脇にある小さな飛行場Sonoma Valley AirportにあるVintage Aircraft Company。
ネットで調べると、いまでも電話番号は変わらず、ワインカウンティの青い空を自分たちでレストアした複葉機を遊覧飛行させて、レストア費用を稼ぎだしているようです。
複葉機による遊覧飛行には2つのメニューがあり、どちらでもプラス50ドルで"Kamikaze"と呼ぶアクロ飛行を追加することができます。
□Scenic Flight 20 minute 1人$175
・ソノマバレー上空散歩
□Explorer Flights 40minute 1人$295
・The Wine Country Tour ソノマとナパバレー遊覧
・West to the Pacific 太平洋までの遊覧
・Spires of the City サンフランシスコやゴールデンゲートブリッジ周辺の遊覧
誘ってくれた友人のポール・ホフマン(コンピュータ関連書籍ダミーシリーズなど多くを執筆)に連れて行かれ、小さな事務所でまず誓約書にサイン。これはお決まりの「何かあっても当方は責任をもちません」みたいなやつでした。
いよいよ飛行機乗り込み。
パイロット志望らしいボランティアの高校生に手伝ってもらい、ステアマンの前の座席に縛り付けられたのです。
「気持ちが悪かったら親指下げて」
「まあまあだったら、地面と平行に」
「気持ちがよかったら親指立てて」
彼の説明はこれだけ。
私は機体ナンバーN1065Mの黄色、ポールは機体ナンバーN56749シルバーのステアマンにのり、20分の"Kamikaze"飛行が始まったのです。
まず感じたのが、オープンコックピットのすごさ!!
次にロールや背面飛行で体にかかるG、撮影しようと準備していたカメラは着陸するまで構えることすらできませんでした。なので、空の上からの写真は1枚もありません。
2機で飛んでいるこの写真は事務所でもらったカードからスキャン。
ひとつのマニューバーが終わると、後部席からパイロットのマーク(現在は在籍していない)が「どうだった?」と聞いてきます。最後まで「親指立てて」いこうと勇んでいたのですが、ストールターンを終わって「地面と平行に」手を出してしまいました。マークは「最後だから・・」と、結局、キューバン8までやってくれたのですが、ループの後半で味わった半回転ロールでもう限界!!
なんとかエチケット袋の世話にならずに着陸できたのですが、足はもうふらふらでした。
少し遅れて降りてきたポールも、顔が真っ青!!
その後はゆっくりと飛行場の格納庫などを見学、めずらしいリパブリックのSeabeeなどもレストア中でした。
最近、アクロ機の操縦練習を始めたとはいえ、動態視力や平衡感覚が衰えてきた私が、再度"Kamikaze"のアクロ飛行にチャレンジすることはないでしょう。
今度訪ねるチャンスがあったら、レストアの完了したTexan(Warbirdsというメニューもある)でゆっくりと遊覧飛行を楽しみたい。
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