RC飛行機用の小型ビデオカメラが登場したことで、まさかそのカメラを鳥に取り付けて撮影してしまうとは・・・・。このムービーには驚いたけど、よく考えれば自然な成り行きですよね。
スペインのJOSE LUIS ORTIZ氏。鷹匠が彼の仕事で、そのHPでムービーが紹介されています。
猛禽類の中で、ハヤブサ以外は低速の滑翔にあった翼をもっています。
次のムービーでは、カメラの取付位置をいろいろ変えながら、首の動き、初列風切、急降下などの映像が撮影されています。
以前から「鳥の飛翔」をカービングによって研究している森岡茂樹氏のHPで、上記のような鳥の飛翔方法について「鳥の彫刻」を通じて研究されたコンテンツを見てきました。
以下はその抜粋です。
・アホウドリは、首を旋回する方向に曲げ、また旋回する側の足を横に伸ばして、重心を旋回する側へ偏らせ、さらに/または 旋回する側の翼を少し下に傾ける動作をして、旋回方向に傾いた姿勢を作り出すでしょう。 この姿勢は翼に旋回方向に向かう力を発生させ、アホウドリを旋回する側へシフトさせるでしょう。
・トビの翼の迎角や形状は、できるだけ大きな揚抗比で、重力に対抗できる揚力を作り出すようなものになるでしょう。 揚力は胴の近くで発生させる方が構造強度上都合がよいので、次列風切は比較的大きな迎角をもつと考えられます。 初列風切は各羽が分離し、羽先が上方に反り、羽の間に隙間ができた状態になっています。 これらは、横揺れを安定化し、境界層剥離を防ぎ、低速飛行で大きくなる誘導抵抗を減らす効果があると考えられています。
・ハヤブサが急降下するとき、その速さは秒速100m (時速360km) にも達すると言われています。 しかし、空気抵抗による損失を無視して、力学的エネルギー保存の法則(運動エネルギー+位置エネルギー=一定)が成り立つとしても、かなり大きな落差および初速度が必要になります。 例えば、静止した大気中を初速度 0 から急降下を始めたときは、500m もの落差が必要です。 秒速 20m (時速72km) の上層の風に乗り、羽ばたき飛翔で得た秒速 20m の初速度から急降下を始めたとしても、 300m の落差が必要です。 ハヤブサが速さの2乗に比例する大きな運動エネルギーをどのような方法で得ているのかよく分かりません。
これはほんの一部ですが、森岡氏のHPには第1ステージと第2ステージに合わせて40態の鳥の飛翔姿が興味深い文章と共に公開されています。
そこに掲載された解説を見ながら、JOSE LUIS ORTIZ氏が撮影したムービーを見る。これって最高のナレーションだなって、うれしくなってしまいます。
森岡氏の「鳥の彫刻」は期間限定で個人運営されている「つくば観音台展示室」にて展示公開されています。時間がとれたら私も見学に行ってみるつもりです。
■つくば観音台展示室ホームページ
期間:2009年 4月10日〜5月17日
場所:つくば市 観音台 1丁目 28-10 森岡宅 別棟展示室
詳細は専用HPを参照のこと
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