テレメトリー(telemetry)とは、離れた場所や移動する機器から観測したデータを、有線または無線で取得する技術。
2.4GHz帯デジタル無線の導入で、RCプロポでも始まるだろうと予測されていた双方向通信を使用したテレメトリー・システムが各社から出始めています。
先月発売となったJR社製XG8を手にするユーザーブロガーが増え、どんな使い方をするのだろうと興味を持って記事を読み進むと、「とりあえず買ってみた、さぁ、何に使おう!!」といった新製品大好きユーザーが多いこと。
テレメトリー・システムに必要なものを確認してみると、以下の機器が必要となります。
データ観測サイド(RC飛行機搭載機器)
・測定のために必要な各種センサや計測器
・測定データを変換/伝送するための送信機
データ受信サイド(RC送信機/専用受信機/ソフトウェア)
・測定データを受信する受信機
・データを表示/分析するためのソフトウェア
・データを保存しておくストレージ
■各社のテレメトリー・システム
メジャーのプロポメーカーと、送信モジュールや受信機だけを開発してきたサードパーティーとは、ビジネスモデルに対する考え方の違いがあります。しかし、ヨーロッパのサードパーティーであったJETI社は、このタイミングを機に自社開発のテレメトリー・システム(2.4GHz Duplex EX)を初めから組み込んだRCコントローラ(DC-16/DS-16)の発売を発表。
同時に、これまでメジャーメーカーの送信機を使用してきたユーザーでも利用できる、専用モジュールと専用受信機(双方向)を発売しました。
メーカーによりテレメトリー・システムに対応した専用受信機を発売するところと、従来の受信機にテレメトリー・システム用の発信モジュールを発売しているメーカーがあり、ユーザーにとっては少し煩雑です。
あいかわらずグライダーモードを持たないなど、JRプロポとは差別化を図っているDXシリーズ。でも、ヨーロッパが開発したDX10tにはグライダーモードはもちろん、船やトラックのコントロールモードまであり、テレメトリーにも対応しています。
飛行機側には従来の受信機にテレメトリー専用のモジュールを搭載して対応しています。
テレメトリーモジュールSPECTRA 2.4は、AURORA 9用がフタバ製プロポにも利用でき、別にJR用も用意されています。その場合はテレメトリーデータをリアルタイムで見ることができるHPP-22を使い、PC画面で確認することができます。
ユーザー側から見たときに、テレメトリー・システムでできるリモートセンシングにはどんな種類があるのでしょう。
発売になったばかりのJR XG8では、次のような機能が盛り込まれています。
- rx batt voltage - 受信機のバッテリー電圧
- no link alarm - リンクアラーム(送受信機間でリンクを失ったとき)
- temperature - 温度計測
- rpm - モータの回転速度
- altimeter - 高度計
- variometer - 昇降計の最大の値と最小の値
- flight pack voltage and capacity - フライトパックの電圧と容量
英語版マニュアルの75ページからテレメトリー機能の解説があります。
設定画面は飛ばす前に使うので、わかりやすければそれでいいのですが、問題は飛行機を飛ばしているときのユーザー・インターフェースです。
音(アラーム)を使い、耳からの情報伝達でデータの内容を伝える方法はリンク切れや高度変化などで使われています。しかし、それ以外のデータは小さな液晶画面をのぞき込むしかないようです。飛ばしている飛行機の種類や状態によっては、ユーザーがデータを確認するのが難しいですね。
例えば、7分間飛行機を飛ばしたとして、その間に観測されたテレメトリーのデータはどこかに保存されるのでしょうか。XG8には16GBまでのSDカードを使用できますが、残念ながら各モデルの設定データやシステムのバージョンアップだけで、テレメトリーデータの保存やPCでの確認には未対応のようです。
他社製品にはデータの保存やPCによる専用ソフトウェアの利用ができるものがあります。
■テレメトリー・システムの使用目的
テレメトリー・システムをうまく利用するには、ユーザー側が具体的な目的を持つことが必要です。
それが日常的な安全面を確認する程度で満足なのか、具体的なプロジェクトの内容に役立つものなのか、機器の導入前にそこをはっきりさせておく必要があります。
・日常的な安全確保
XG8の場合を見ると、バッテリーの電圧チェックやリンク切れ、高度確認など、安全面で利用できるスペックから始めているように感じます。メーカーによってはサウンドが似通ったアラーム音ではなく、ボイスシンセサイザーをつかった音声によるデータ読み上げをしてくれる製品もあるので、実際にフィールドで使ってみる時をシミュレートして機種を決めるといいですね。
・具体的なプロジェクト目的のために
フライングロボットの開発など、具体的な調査や目的のあるプロジェクトを準備している場合は、その内容をあった機能のテレメトリー・システムを発売しているメーカー製品を探す必要があります。身近なところではGPS機能ですが、すでに単独の製品で機能性の高いGPSが発売されており、テレメトリー・システムとの棲み分けが難しいところです。
こんにちわ!
下の記事ですが
iphone型の送信機いいですね
パークフライヤーの私は興味津々です。
投稿情報: ayasolo | 2011/07/20 12:16
iPhlyの記事のことですね!!
はい、私もiPhoneユーザーなので同じ気持ちです。
承認をとったモジュールもでてきたことですし、この送信機、使えますね。
投稿情報: 栗田 | 2011/07/20 15:07