使用されている材料は軽くて壊れにくいという模型飛行機にはもってこいのWSFという素材※。1機分のプリント代は送料を含めて80〜100ドルだそうです(作者はフィンランド在住)。
※WSF : White, Strong & Flexibleの略で、PA2200というナイロン素材
製作者は、バルサキットのヘルキャットを参考にして、3Dプリント用の3Dデータをおこしたそうです。誰もが想像するように、データ作成のこの作業こそ、専門的な2D、3Dのモデリングソフトウェアを使えるテクニックが必要。さらに出力サービスを行うShapewaysでは、データのミスや矛盾をチェックするために2つのソフトウェア(MeshLabとNetfabb)を使うよう勧めています。
こんな専門的な学習レベルをクリアして、形になったヘルキャットですから、当然、みんなから賞賛の声があがるわけですが、搭載しているパーツ構成を見る限り、小型軽量機のスキルはあまりないモデラーのようです。
作者がこれまでに作ったフィギアや機体部品なども紹介されています。これを見て、3Dプリンタを使う個人作家の可能性を考えました。
この後で紹介するムービーのように、3Dプリンタを使ったこのようなモデリングは、試作品の開発に使われることが多いのです。でも、Shapewaysのように低価格で利用できるサービスが増えると、DTPの発展段階にもあったように、個人が利用できるため、そのまま作品作りを始めるモデラーの登場につながるわけですね。
フリーフライトのピーナッツ・スケール機では、「スティック&ティシュー」と呼ばれているように軽量なCグレードバルサと和紙を材料に、どんな飛行機でも製作してきました。近年、マーキングやカラーリングの一部にドローイングソフトで作成したデータをプリントして使うモデラーが増えています。でも、ダーミーのエンジンなどは、モデラーの経験で軽い材料を選び出し、職人的な手仕事で1点々作ります。
この作業が、3Dプリントに替わることが将来、おこるでしょうか。たぶん、誰かがチャレンジするように思いますが、手仕事は残り続けるでしょうね。3Dプリントでできたヘルキャットの作者でも、軽量メカの選択と組み込みは手仕事になるのですから。模型飛行機の製作は、トータルな世界。頭脳の修練も必要ですが、基本は手仕事の修練が大事なんですね!!
こんにちは、野末です。
まるで精巧なピーナッツのキットですね。
でも、プリント代で100$はちと高い気がしますね。
このWSFという材料ですが、こんなに細かなパーツに切れるのですか?
まるでバルサのようですね。
ナイロン素材なので、柔らかいイメージなんですけど、バルサのような構成で機体ができるのはビックリ!
投稿情報: 野末 | 2011/08/05 16:10
>プリント代で100$はちと高い気がしますね。
自分で設計したデータが3Dで出力できるという段階で、目的が1つ果たせている。そんな価値観をこのモデラーには感じます。でも、もっと安くて、はやいプリント処理になることを希望すると書いてありましたかどね。
切削素材には銀などもあり、アクセサリーや彫刻のようなオブジェとしての需要が多いみたい。
投稿情報: 栗田 | 2011/08/05 21:18
3Dプリンターと言うのは立体造形マシンです。
複雑な内部構造を持つモデルであっても、
後で組み立てることなく
全て組んだ状態でマシンから出力されます。
http://sakaig.com/3dprint.html
カラー出力できるタイプもあります。
http://www.zcorp.com/jp/Products/3D-Printers/ZPrinter-650/spage.aspx
投稿情報: 実験工房Sekiai | 2011/08/06 07:22
なるほど、理解しました。
2枚目の写真のように出来てるんですね。
あとは、各部の接着と着色で出来上がりってわけですね。
これなら100$は妥当かも。
投稿情報: 野末 | 2011/08/06 16:19