THE SLOVENIA EXPERIENCE from RiSCyD : TeamBlackSheep on Vimeo.
FPV(First Person View)機を巧みに操縦させて、これまでにない映像による自由なフライトを紹介し続けてきたTeam BlackSheep。彼らの最新ムービー「THE SLOVENIA EXPERIENCE」がまたUPされたのですが、そのスーパーな活動に対して、各国の対応は以前よりも風当たりが強くなってきたようです。
彼らのHPに記載されている7月22日付けの文章には、
これまで情報提供の場として利用してきたRCGroupsにおいて、運営スタッフによるハラスメントを継続して受けていたこと。その不可解な状況を打破するために自分たち専用のフォーラムを独自に開設する、と書かれていました。
今年のはじめ、当ブログでTeam BlackSheepが使用している無尾翼機「Ritewing Zephyr」について、はじめて紹介したときにも、yakumoさんから次のような内容のコメントをいただいていました。
単なる模型飛行機と思っていたらこの方面の技術の進歩に驚くばかりです。
こんなものがマンハッタン上空を誰にも知られずに飛んでいたのかと思うとぞっとします。超小型の軍用のUAVは良く知られていますが、桁が2桁も違うほど安価な模型飛行機でもこんな飛び方が出来るのですから、悪用されることが一番心配です。模型飛行機と小型無人機の線引きもこうなるとなかなか難しい問題だと思います。
FAA(連邦航空局)も無視できない状況と考え、アメリカの模型協会(AMA)を取り込んだ飛行空間の制限の動きになりつつあるようです。最新版MODEL AVIATION誌(3月号)に記事として取り上げられています。
Team BlackSheepのメンバーがRCGroupsのフォーラムで、具体的にどのようなハラスメントを受けていたのかは定かではありません。しかし、切迫した社会状況を考えると、彼らにも社会的な配慮が不足していたのではないかと感じます。
「新しい技術やノウハウを牽引すること」それがフォーラムではたえず優位なポジションを占める場合が多く、Team BlackSheepの活動方法や演出はセンセーショナルでした。簡単に言えば「ぶっ飛んでいた」ということです。Team BlackSheep(厄介者の集まり)っていうネーミングも格好良いと思って付けたのでしょうが、裏目に出た感じですね。
「自由な飛行を獲得できる」という意味においては、ゲリラ的に行われていたグライダーのDS(ダイナミックソアリング)についても同じことで、米国ではかなり前から規制されています。
安全面を配慮してFPVの可能性を継続できるよう、安全基準を設けることについての提案は、RCGroupsのフォーラムでも、Team BlackSheepのHPでも、同じように行われています。でも、意見があわないのでしょうね!!
現在、彼らのHPでは「スポッターの必要性」を訴えています。
Spotter:スポッター(観測手)とは、飛行するFPV機の観察や周囲の状況把握に必要な情報収集など、FPVパイロットのサポートを行う役目です。興味のある方は全文を翻訳サイト経由で読んでみてください。空を共有することの難しさと、実機並みに危険を回避できる安全策が必要であることがわかります。
2番目のムービーはRCジェット機 BAE HAWKに追尾して撮影した映像。
撮影用無尾翼機Zephyrは最高速度180km前後なので、BAE HAWKの方が低速で合わせて飛んでいるように見えます。それにしても、どちらのパイロットも操縦がうまい。
BAE HAWK
BAE HAWK from RiSCyD : TeamBlackSheep on Vimeo.
3番目のムービーは、M'ck'yという個人名でvimeoに投稿されているムービー。
UHF送受信機を使い、10km以上離れた遠隔地からの操縦を可能にしています。
これが送信機(JR製送信機の背に搭載)
こちらが専用の受信機8ch
スタンバイ中のZephyr機
Breaking the ice with my FPV Zephyr
Breaking the ice with my FPV Zephyr from M'ck'y on Vimeo.
軍用UAVに比べたら2桁価格の安いFPV機とはいえ、機体に必要なメカをすべて搭載すると20万円前後になるしろもの。
このセットで一式(飛行機側の装備のみ)。
安価な中華製品の台頭で、今後、FPV機器の価格は安くなっていくでしょうが、それにしても、ただ購入すれば済むわけでなく、各メカのしくみや扱い方をすべてマスターしておかなければなりません。
地上に設置するこの写真の機器をみただけでも、大きな自由を得るには高く複雑なハードルを越えなくてはならないのですね。優秀なスポッターがいれば私も体験してみたいけど・・・。
「幽体離脱」とか言っている「あれ」ですね。
以前youtubeにホテルの窓から発進し、道路に沿ってフライトして戻ってくる映像がありました。
そのうち日本でも「機体を見ないでフライトする」輩が出てくるだろうと思っていました。
テレメトリーの問題が解決しているので、機体側から映像を送信するのもすぐに合法化されるでしょう。
後は「モラル」の問題でしょうか。
投稿情報: えびふりゃー | 2011/11/24 21:13
実際にFPVを体験してみましたが、パイロットビューで操縦するRC飛行機の感覚は、これまでの「いって/こい」の左右が入れ替わることもない、新しい世界でした。実機と同じような視界でも、パイロットが搭乗していないため、馴れると大胆な操縦になる人もいるようです。
操縦できる範囲が限られているこれまでのシステムで、テレメトリーを使ってFPVをやる場合でも、ルール化や競技設定は必要だと感じます。高度なシステムを利用するわけで、ユーザー責任としても、しっかりマニュアルを読んでお勉強を済ませ、最後はモラルに任せるということでしょうか。
モラルがなくて事故ったり、河川敷から追放されたクラブを関東ではいくつか見てきているので、この新しいシステムもうまく発展できればいいのですが。
投稿情報: 栗田 | 2011/11/25 11:30
日本の場合、上空飛行許可ってとるのがすごく大変なイメージがありますが。rcシュミレーターで機体追尾視点で操縦してみたことがありますが、すごく飛ばしやすかった感じがします。まして小型電動機でそれができたら・・。自宅の窓からちょっとフライト、とかできるわけで。まさにドラえもんの世界ですが、しずかちゃんのおふろをのぞくノビタくんのようなやからもでてくるわけで、よくかんがえると怖いですね。
投稿情報: mito | 2011/11/26 20:38