ドイツを代表するF3Pパイロットでオピニオンリーダーでもあるマーティン・ミュラーが、F3Pの発展をふりかえる文章を掲載していた。今回、第1回目の世界大会開催を誰よりも喜んでいたに違いない彼が、選手としてはエントリーせず、後輩たちに道を譲って、アトラクションのショーチームリーダーとして大会をサポートしていたのは感慨深かった。
Minsai1
ベアリング入りのSagami 280BBブラシモータをギア比5:1でギアダウン、110mAh10セルのニカドバッテリー使用で、機体重量は300g以上あったという。このスペックからわかるように、可能なマニュバリングはループ、ロール、キューバン8半回転に背面飛行だけ。
Minsai 3 Hacker BLモータとニッケル水素バッテリー
Minsai 4 MFly BLアウターロータモータとリポバッテリー
彼も書いているが、インドアアクロ機はタイムリーに登場した新しいタイプのバッテリーやBLモータ、デプロン素材により、その後、大きく発展することになる。
2006年には、本ブログYSFCでもリアルタイムでドイツテイストを味わうことができたMANTAが登場。
MANTA 1
何よりも他のジャンルと違っていたのは、低予算でモデルを製作することができ、スピードのある開発とトレーニングをみんなで楽しむことができたからだ。この世界観が多くの若いパイロットたちの好みに合い、ヨーロッパを中心にF3Pは盛んになっていった。
入門する子供たちへの科学的な教育指導という観点からも、自らの手でモデルを製作でき、調整/修理できて飛行できるパイロットの養成が必要になる。大事なのは、テクニックの継承とノウハウのトレーニングがクラブを中心に発展していったことだ。我々がドイツを中心にしたヨーロッパ勢に学ぶべき点がそこにある。
F3P-A(エキスパート)
F3P-B(アドバンスド・パイロット)
F3P-C(ビギナー)
F3P-D(入門者)
F3P-AM(自主的なプログラムとしてのエアロミュージカル)
一部のエリートパイロットを選び出すためだけの競技ではなく、インドアアクロ機に興味を持ったすべての入門者たちに、発展できる道を与えること。それができるクラブ組織の存在こそが、これからの日本のF3Pには必要だと感じている。
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