これが最初の記念写真。右から須田、須賀、本井の3氏。
須田さんは埼玉県飯能市で活動するTeam Quadraの代表、インドア/アウトドアのどちらも精力的に活動するベテラン。YSFCでもたいへんお世話になっています。
本井さんはインドア同期生で、SSFC(湘南)、IAC-ASO(柿生)、YSFC(横田)、Team Quadraと幅広く活動されており、彼のブログと経営するネットショップ悪徳moto商会は有名です。
佐渡のメンバーは本間、佐藤、栗田が参加予定でしたが、本間さんが体調不良で悔しくも不参加。
須賀さん、佐藤さんは7月に続いて、2度目のドンデン山ソアリング。
栗田はみなさんのおかげで3回目となり、いよいよ6サーボ機に挑戦です!!
佐渡の住民であれば、雨の日にドンデン山へ登る人はいないでしょう。
秋の3連休は雨で始まってしまいましたが、可能性を信じて山へ向かいます。
10:00 簡単な買い物を済ませ、ドンデン山荘に移動
11:30 小雨の中、ドンデン山荘に到着
12:00 食堂で昼食後、午後のフライトも可能性がなくなったので、荷物を降ろして勉強会の準備
13:00 談話室で勉強会開始
栗田からのリクエストで、F3B機の調整が済んでいる須田さんに、JR送信機(PCM9XII)のミキシングとフライトモード毎の設定についてレクチャーをお願いしました。
バタフライ (クロウ)や他のMIXは設定済みですが、マニュアルのどこを読んでも解説のない「フライトモード毎の設定」をどのように行うのか、見せていただきました。その手順を見て、おもわず「うそー、たったそれだけなんですか?」と呆れてしまいました。
右上にあるフライトモード切替SWを各モードに切換て、そのモードに合ったフラップとエルロンの舵角設定は正面上に並んでいる左右のSW(赤い○印)で±(プラマイ)するだけ。
JRは何でこんなに簡単なことをマニュアルに書かないのでしょう。数行で説明できる設定方法を省かれたために、初心者の栗田は何日も悩みました。
須田さんに数分で各フライトモード毎の設定をしていただき、Radinaは準備万端。
モグラのエレクトロジュニアSは、モータの出力カーブ設定がグライダーモードで可能なのか、質問しました。いろいろ自分で試してみたのですが、どんなMIXを試みてもモータの出力は0〜100%のまま、変化させることはできません。グライダーの場合はスイッチでON/OFFしてもいいくらい簡単なコントロールでいいという考え方のようです。
こうしてわずか15分くらいで問題は解決してしまい、その後、本井さんが持参したインドアIRD機をデモフライトしてくれました。いまひとつ浮きが悪いのは、あとから800メートルの高度にあることがわかったのですが、それでもよくできた仕様に一同感心したのです。IRD機の詳しい仕様はとしちゃんのブログ「超小型飛行体研究所」を見てください。
15:00 まだ3時前だというのにやることがなくなってしまったので、勉強会を終わりにして明日の天候回復を祈願する飲み会を始めることに・・・。
本井さんが楽しみにしていた地酒「風和(かぜやわらか)」を開けます。さて、そのお酒の味は、確かに辛口ではあるのですが、きれがよく、飲み終わると繊細な甘みが口の中に広がります。みなさんも気に入っていただけたようで、酒の肴に持参したイカの塩辛も好評(後からおみやげ用に買い占めてました)でした。
飲み続けてしばらくすると、そこに不参加のはずの本間さんが差し入れのカニを持参して登ってきてくれました。すばらしいサプライズに一同大喜び。でも、腰痛は大丈夫なのでしょうか、心配です。
19:00 こうして予定していたメンバーが全員そろい、夕食をはさんで、その後も同じ宿泊客である関西のワンダーフォーゲルの大学生たちと、須賀さんのF3B機エリプス2V(友人からの借り物)を酒の肴にして、さらに宴は盛り上がったのでした。
21:00 明日の朝の天気を願いながら就寝
10月10日
05:00 日の出前から目がさめてしまい、気になる天気を窓越しに確認すると、遠くは海峡を挟んで新潟の明かりまで見えるではありませんか。上空には星が出ています。すぐに、外のテラスに出て撮ったのが次の一連の写真。
南西から北に上がってくる雨雲が切れたのか、雲の動きは活発ですが、上空は晴れています。
新潟の明かりはすぐに雲で隠れてしまいましたが、両津湾、加茂湖、国仲平野、真野湾まで、きれいに見渡すことができます。
ドンデン山荘から見て、南西にある金北山から孫次郎山まで、嶺づたいに連なった稜線から北風に乗って雲が流れてきます。
ドンデン山荘入り口に設けられている風力計は北西から北を向きっぱなし。
変化の激しい山の天気はどうなるのか、日の出を待っているとメンバー全員が起きてきました。
07:00 そわそわと朝食を済ませ、ドンデン山荘をチェックアウト。
07:30 荷物を車に積んでスロープへの移動を開始。関東組は本間さんが準備してくれた長靴に履き替えます。これは雨で地面が濡れていることもあるのですが、放牧されている牛糞対策も兼ねています。
車の移動はわずか数分、一の段と呼ばれている大滝山脇の路肩に停車して荷下ろし開始。
注:今回のスロープソアリングに関しては、事前に佐渡市環境課への申請、フライトエリア地権者への確認、ドンデン山荘からの許可をいただいています。特に10月は放牧牛がエリア内におり、懐妊している母牛がいる場合があるので、驚かしたりすることは禁物です。
これが放牧牛の糞
稜線を超えてくる雲が迫ると小雨が降り始めるため、雲の動きを気にしながら手早くスロープへ上がる荷物の準備を済ませます。
目的の丘は、せり出した大滝山の先端、そこまで緩やかな丘を2つほど越えていくことになります。
ドンデン山麓一の段
真っ先にフライトを開始したのは須田さんのF3B機。
南西方向、金北山の手前にあるしょらん堂山を挟んだ右手の谷からかなり強い上昇風が上がってきます。iPhoneに入れてある風速計で測ると10から14mphありますが、さらに強く吹きはじめます。
風を探っていた須田さんのF3B機を見ていると、谷の中央付近のリフトは弱く、そこを超えてしょらん堂山側に向かうとまた上昇風があるようです。孫次郎山に向かう右奥の斜面にも強い上昇風があります。南から南西の先端付近は、まだサーマルが上がってくる時間ではなく、上昇風もあまり強くありません。
須田機が着陸姿勢に入ろうとした途端、失速して機首から地面に。
Chinese F3B
先発機のダイナミックなフライトに続いて、須賀さんのF3B機エリプス2Vも準備に入ります。
その間、須田さんは1.5メートルV尾翼機をフライト。交代で操縦させてもらいましたが、上昇風の強い場所では安心して飛ばすことができました。でもやはり問題は、この強い風の中で機体を壊さずに着陸させることにあります。
1.5MV
スロープ初体験の本井さんは、平地のHLGとはまったく違う状況に最初は唖然としていました。
でも、いつも楽しい本井さんは、持ってきたAlulaを投げ上げて、須賀さんに操縦を託します。
Motoi Alula
須賀機はエリプス2Vで、むずかしい着陸を見事にクリア、さすがです。
でも、後から飛ばした感想を聞くと、緊張で膝が震えたそうです。借り物の機体であることも気になったのでしょうが、一瞬でも気を抜けない風とのせめぎ合いはハードで、たとえ短時間の挑戦でも、無事に着陸できると安堵と共に大きな満足感を得ることができるようです。
ELLIPSE 2V
意を決したかのように、佐藤さんが1.5メートルのバルサ機プロムナードを飛ばします。
Promenade 1.5M
栗田も先輩たちのフライトが背中を押してくれ、この好条件の強い風でRadinaを試すことにしました。再度、各舵の動きと機体チェックを須田さんにしていただき、須賀さんのランチで離陸。舵の効きや調整を須田さんが試します。
まだ4gほど重い左翼に傾く癖があるようですが、少ないトリム調整でRadinaは安定した滑空をするようになりました。少しエキスポを減らして、エルロン操舵の効き始めを早めたことで、もう何も不安のないすばらしい飛びを体験することができました。
交代でその飛びを確かめ、最後は須賀さんに降ろしてもらうことに。でも、バタフライに入るとフラップが左側しか下りません。動翼のヒンジ上に貼ってあるギャップカバーが引っかかるのかもしれません。事前のチェックでもエルロンが上がったまま、下がらなくなったことがありました。
須賀さんは慌てずに機体の姿勢を変えながら、対面する風の力を利用して主翼のたわみを変えているようにみえました。すると、右のフラップも下りるようになり、こうしてRadinaは無事に地上へ戻ることができたのです。
ムービー撮影は、最初、本井さんが担当してくれ、途中から栗田の交代しています。
Radina 2MX
「うれしさが顔に表れてたよ!!」とみんなに冷やかされながら、機体と共に記念写真。
やはり風の強い急なスロープでは、自分の勇気だけでは初飛行に踏み出せません。背中を押してくれる先輩がいてくれたことに感謝です。
須賀さんは再度、エリプス2Vをフライトさせ、少しブッシュよりのランディングでしたが、大満足で無事に全てのフライトを終了することができました。
ELLIPSE 2V take2
幸いなことに一の段に放牧牛の姿はなく、糞だけに注意をしながら、楽しくダイナミックなF3B機のソアリングを堪能することができました。遠征して、今回のチャンスをつくってくださった3人の友人、それに佐渡のメンバーに感謝です。
10:45 神様が許してくれた時間があっという間に終わり、雲行きが怪しくなってきたので下山することにしました。
短い時間でしたが、そう感じない大満足のスロープソアリングでした。ありがとうございました。
11:40 その後、国仲平野の回転寿司店で本間さんと合流して昼食。
13:00 本井さんのリクエストで地酒の酒蔵「真野鶴」見学。
15:00 栗田工作室を見学後、ふすべ村へチェックイン。素浜海岸見学。
17:00 本間さんと合流して、はやめの夕食
18:00 B&Gアリーナで飛行会開催
本井さんの小型機パーツの行商、須賀さんのVPP機、須田さんのAM機を堪能。
21:00 佐藤さんと別れ、一同、宿泊施設のふすべ村へ移動
23:00 2時間ほど、ドンデン山ソアリングの印象とインドアアクロ機練習の秘訣を聞く
10月11日
09:00 ふすべ村へ向かいに行き、小木港へ移動
10:00 本間さんと合流して時間まで談笑、フェリー乗船、帰宅の途へ
関連ブログ
本井さんの e_Slowfly日記:佐渡は居良いよ住みよいよ
須田さんの TEAM QUADRA:佐渡でスロープソアラ
佐渡でスロープソアラ (続 グライダー紹介)