鳥たちと共に海風の恩恵に与り、リッジソアリングを楽しんでいる者として、自然環境が壊れていくのを見るのはつらい。
現在の素浜海岸は、度重なる台風の影響で大量の大型漂流物が流れ着き、砂浜を占領している。
大陸からの使い捨てられた漁具も一向に減ることはない。
グローバルな経済発展を目指した超資本主義は、インターネットを伴ってさらにグローバル化した。だが、人々は古い規範である国家の枠組みの中で、消費者としては世界中の物を手に入れることができるようになったが、民主主義をグローバル化した世界市民には成り得ていない。
海に国境の壁はなく、ゴミを捨てれば、それはどこかの陸地に流れ着くか、海域のゴミ溜まりに集まり沈殿していく。
20年ほど前からサスティナブルという言葉が使われるようになったが、それは「持続・継続可能」という意味で、現状では国連サミットで採択された2030年までの国際目標である「SDGs:Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標」になっている。
17のグローバル目標と169の達成基準からなる開発目標を、我々はどう考えるべきなのであろうか。
これまで人間中心主義で歩んできた我々は、地球の生態系や気候に大きな影響を与えてきてしまった。そんな人間のためだけのテクノロジーではなく、その先にある「地球のためのディープテック(深い社会課題 / 射程の深いテクノロジー)」を模索していかなければならない。それが人間にとっての覚悟なのだと。
RCグライダーを楽しむようになって、はじめの頃は最新のキットモデルばかりを追いかけていたが、消費経済の末端を担うようなARF製品(Almost-Ready-to-Fly)の軽薄さに嫌気がさし、歴代の名機と呼ばれてきたモデルのプランやキットに目がいくようになった。
ここ数年、そんなモデルばかりを見つけ、製作することを繰り返してきて、多くのディープテックを学ぶことができた。
2030年まで生きることができるかわからないが、環境(海岸リッジ)とエネルギー(風)とテクノロジー(製作ノウハウ / 材料工学)について、さらに深く活動していくつもりだ。
昨年も激しい気象災害に継続して遭遇することになった日本だが. . . . . . . . オリンピックイヤーの今年、世界中から多くのアスリートが集まる。
ぜひ天候には恵まれることを願うばかりだ。